女形への転向について

 皆様から良くいただく質問ですが、私が何故女形でステージに立つようになったかをご説明申し上げます。
私はデビューをしてから10年間はずっとスーツを着て歌手活動をしていました。10年を機にしましていろいろと悩んだ時期がありました。このまま歌手を続けようか、それとも別の道を探そうか・・・と。
でも、歌を志して16才で上京し夢をいっぱい持っていましたので歌手をあきらめるということはできませんでした。これからの時代は聴いてもらう事も大切だけど、いかに世の中の皆様に観ていただくかも大切だと思いました。

カラオケが発達して、各地でカラオケ大会や発表会が開かれ歌を聴いて楽しむという時代から、参加する時代へと変わって行きました。
プロでやって行く以上、人の真似ができない事をやろう、もっと価値を高めて行かなければと思いました。はたして、自分には何ができるかと考えました。

幼い頃、日本舞踊をしてました。この踊りをいかせないかと考えまして、各方面の先生方に相談したところ、女形で歌う歌手というのは日本にはいない。女形イコール大衆演劇、歌舞伎の女形はいるけれど・・・ということになりました。よーし、歌謡界で最初の女形で歌う歌手になろうと思い、特訓をし、稽古に励みました。もし、お客様に前に出て不評だったらやめようと思いました。その覚悟を持っての女形への転向でした。
すると、これがとても好評で、各地から問合せが多く届くようになりました。これからは、自分は女形に磨きをかけてがんばろうと心に決めました。

今年でデビ―35周年。北岡ひろしの世界をたくさんの皆様に
ご覧いただけます様頑張ってまいります。